自称・ミュージシャンの本棚

シンガーソングライターむーすくりーむの読書メモ集。

快感回路/デイヴィッド・J・リンデン

ラットは食べ物や水以上に快感回路の刺激を選んだ。メスがいても無視。

 
報酬回路は複数の構造が互いに繋がりあって構成される。
 
VTAニューロンがパルス発射→軸索を伝って軸索端末へ→ドーパミン放出→反対側のドーパミン受容体と結合→また一連の化学結合開始。GABAがドーパミンを抑制。
 
覚醒剤やコカインはドーパミントランスポーターの働きを阻害。
 
快感回路の働きが活性化され過ぎると依存症になりやすくなる。ドーパミンニューロンの 増強。
 
快感回路と脳の他の部分との相互連絡によって極上の快感が生まれる。
 
全ての生き物は向精神薬 を好む。生まれつきの酔った状態への欲求 。
 
快感回路を活性化するドラッグ(ヘロイン、コカイン、アンフェタミン)は依存度が高く、活性化の度合いが小さいか全くないドラッグ( L,メスカリン、アルコール、大麻など) は 依存度が低い。
 
ニコチンは迅速に快感回路に到達するため依存度が高い。弱い快感を迅速に何度も体験する。
そのため喫煙と快感の連合が非常に強くなる。犬を何度も呼び来る度に肉をひときれあげるイメージ。一回呼んで来たら五キロの肉をあげる(ヘロイン)よりも効果的にしつけられる。
 
レプチン =脳内で食欲を抑え熱量を増やして体重を 一定に保つホルモン。
 
 摂食はドーパミンニューロンを活性化。ドラッグと同じ領域を活性化。
 
チョコレートは快感回路を非常に大きく活性化する。
 
肥満体はドーパミン受容体密度が低い。また食べようとしている瞬間は 大きく活性化するが、実際に食べても あまり活性化しない。そのため満足感を得られず食べ過ぎてしまう。
他の依存性にもなりやすい。
 
 ストレスが過食、依存性を誘発する。
 
脂肪と糖分と塩分が多い食べ物を長期に渡って食べ続けると快感回路の配線が変わって食欲が増強される。快感回路が麻痺してしまう。
 
 多くの哺乳類は自慰行為をする。イルカのウナギオナニー。 同性愛も多く見られる。 
 
恋愛と性的興奮は一部共通する快感があるけれども別物 。性的画像は扁桃体を活性化させる。
 
女性は異性愛者も同性愛者も男性よりも幅広い刺激にたいして興奮する。そして性器は自分で認識しているよりも非常に幅広い刺激に反応し興奮する。
 
恋愛もオーガズムも快感回路のドーパミンニューロンを活性化する。
 
セックス依存性の行く後には感情的瓦礫の山が残る。
 
オキシトシンが事後の至福をもたらす。社会的絆の形成にかかわるホルモン。
 
浮気性の人と誠実な人を比べた場合、脳内のドーパミンバソプレシンオキシトシンの信号に差があるのかもしれない。
 
D2ドーパミン受容体に関係するA1対立遺伝子を持つ人はドーパミン信号伝達が弱く、依存性になりやすい。
 
人間の脳はリスクのある出来事から快感を得るようにできている。不確実性そのものが快感を導く。
 
自分でなにかを操作したときのニアミスは何らかの快感として記憶されゲーム、ギャンブルを続けさせる原動力になる。
 
ビデオゲームも快感回路を活性化する。
 
激しい有酸素運動 と至福感。ランナーズハイ。ドーパミンニューロンを活性化。
 
ドーパミンニューロンは痛みでも一部活性化する。
 
社会的比較が報酬中枢の活動に強く影響する。
 
情報そのものが快感をもたらす。有用性は関係ない。観念を押し通すことで快感回路を活性化できる。何らかの主張のための禁欲、断食など。
 
経験により快感回路を長期的に変化させる能力のおかげで人は様々なものを自由に報酬と感じとることができ、抽象的観念さえも快いものにできる。だがこのプロセスが快感を依存性へと変化させる原因にもなっている。
 
未来において快感がありふれたものになったとき、私達は何を欲するのか?