自称・ミュージシャンの本棚

シンガーソングライターむーすくりーむの読書メモ集。

昭和激流 四元義隆の生涯/金子 淳一 (著)

獄中生活は見ようによっては禅道場にもなりうる。
 
田中も金丸も悪い男ではない。ただ無知なだけだ。金以外のものを知らない。金で全てができると考えている。本当に大事なものをわかっていない。
 
あなたは田中に負けたのは中曽根が自分の陣営に来なかったからとか、佐藤栄作がもう少しがんばってくれたら、と書いているが、要するに福田赳夫がだめだから負けたんじゃないか。それ以外には何もない。それがわからなければ、政治家として成り立たない。
完全無欠な人間はいない。だが自分の弱さがわからないような奴には、本当の強さもわからない。何もないくせに自惚れだけが強い。だから人のせいにする。
 
稲葉修と親友。どちらも中曽根総理を熱望。
 
田中角栄君と中曽根君と稲葉修の清潔度を比べれば五十歩百歩かもしれん。しかしその五十歩、百歩の違いが人間社会では大事な節度なんだ。稲葉修
 
捕まえるのは田中角栄、児玉、小佐野までだ。中曽根は将来首相になる男だから逮捕したらいかん。日本のことを考えたら中曽根は大切な男だ。
 
俺がいて、法務大臣が稲葉修でなければ、あの時中曽根はどうなっていたかわからん。
 
 中曽根裁定に落胆。中曽根を見損なった。言い訳の多い男だ。
 
竹下登は情報網が広くて我慢強い現実的な政治家だ。感心なことは他人の悪口を言わないことだ。私心がとれてくれば大きな知恵が生まれ大物政治家になるんじゃないか。
 
何の理想も理念もなく功名冨貴を求める人間が多すぎる。
 
よりよい社会を実現するには政治家を選ぶ国民一人一人が見識を高めるしかない。
国民のレベル以上の政治家は出ない。
 

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針/Susan Weinschenk (著), 武舎 広幸 (翻訳), 武舎 るみ (翻訳), 阿部 和也 (翻訳)

人は目標を目の前にするとヤル気が出る
 
ポイントを溜め始めるとそれを楽しむ。
 
ポイントカードを持っているお客さんは持っていないお客さんより愛想がよい。
 
目標が達成されるとヤル気は急速に落ち込む。
 
予測不可能な報酬を設定した方が強力。
 
ドーパミンは情報探求心をあおる。
 
脳は報酬を得たときよりも期待しているときの方が受ける刺激が強い。
 

話す技術・聞く技術: ハーバードネゴシエーション・プロジェクト 交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話]/ダグラス ストーン (著), 松本 剛史 (翻訳)

アイデンティティをめぐる会話>
会話が困難に感じられる時、実はその一部が自分のアイデンティティに関わっていることも多い。
ex.昇給アップの要求→もし却下されたら?却下されるだけの真っ当な理由を聞かされたら?有能な自分というセルフイメージを保てなくなってしまう恐怖。
 
・人がなかなかミスを認めたがらないのは、自分が弱いとか無能だとみられるのを恐れるから。概ね有能でミスを犯す可能性にも冷静に対処できる人間は安定して自信に満ち、完全である必要もないほど大きな人間としてみられる。
 
第2章 誰が正しいかで論争するのはやめよう
それぞれが異なるフィルターを持ち、事実に対して異なる意味づけをしている。人それぞれ事情がある。〜すべきという固定観念
 
第3章 相手の意図を勝手に決めつけない
私たちは相手の意図を悪い方へ解釈しがち。(そのくせ自分には甘い)相手の人格への安直な評価にもつながってしまい危険。仮説にすぎない。意図を邪推された場合は非難を聞き流し相手の感情に耳を傾ける。
 
第8章 会話を始める
⑴第三者の視点で話を始める:相手の見方について理解していない部分がたくさんあること、話し合いたい理由が相手の見方をもっと知りたいたいからだということを伝える。みきなり自分視点で意見を言わない。
ex.君と僕とじゃ〜について感じ方に違いがあるみたい。これは二人で話し合ってみてもいいことじゃないだろうか? 
 
⑵会話への誘いかけをする 理解するためにはあなたが必要
 
(特定の種類の会話)
⑴悪い知らせを伝える:最初にはっきりと悪い知らせを伝えた方が良い
 
⑵要望を伝える:〜することは理にかなっているだろうか?ex/私が昇給することは合理的かどうかを考えてみたいのです。私の知っている情報からすれば、それに値するのではないかと思うのですが(ここで理由を述べる)。あなたはどうお考えでしょうか?
 
⑶以前に失敗した話し合いをもう一度始める:どう話し合うべきか話し合うex.あなたが〜について話し合いたくないのはよくわかっている。私にとって問題なのは私がとても心配していて、それがなぜなのかを役に立つ形で伝えたいっていうこと。でもどうやって伝えればいいかよくわからないからあなたの方から何かアドバイスをもらえないかと思って。
 
第9章 傾聴の極意
相手の言葉の裏にある本当の感情を認めてあげる。相手の言うことを別の表現で質問し、自分が理解していることを示す。好奇心を持ち、心から聞くことに集中する。どうしてもエゴに邪魔されて集中できないときはそのことを相手に伝える。感情移入することに努める。
 

 

阿久悠神話解体―歌謡曲の日本語/見崎 鉄 (著)

詞は聞いた人の体内で詩に変わってくれれば良い。
 
流れが思わぬ方向に転がってそれに乗り続ける。わらしべ長者
 
最近の歌詞には背景描写がない。
 
ワンとしての自己を他者の代わりに承認してくれたのが世界にひとつだけの花。
 
作詞の際は曲を聞き込み体のなかに取り入れる。そうするとあるメロディがある言葉を語り始める。ある言葉を手がかりに全体のイメージを構築する。
 
道を歩く=自力、川の流れ=他力 
 
作詞というのは言葉以外のものからの刺激を言葉にするもの。
 
最初の二行で風景の入ったフルショット、次にカメラは人物に寄ってバストショット、そしてサビに入ったところでアップにして主人公がセリフを喋り始める、そして最後にカメラは再び引いてロングショット。映画的作詞、津軽海峡冬景色など。
駅に降り立つ女の遠景→海鳴りを聞く無口な人々→泣く私のクローズアップ→カメラは一気に引いて冬景色の津軽海峡
 
~してはいけないよなど呼び掛けはリスナーを歌詞世界へ引き込む常套句。
 
シンドバッド=プレイボーイの暗喩
 
出来合いのことばを切り貼りして自分の心の叫びだと勘違い。自由に服を選べばいいのに、どこの学校の制服が可愛いとか言ってそれを少し着崩して自分を表現したつもりになっている。近親婚を繰り返し住民全員の顔が似てきてしまった村のよう。
 

人を動かす/D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

<人を動かす3原則>
 
・人を非難する代わりに理解するよう努める。相手がどうしてそんなことをするに至ったか考えてあげる。
 
・相手に惜しみない率直で誠実な評価(褒め言葉)を与え重要感を満たしてあげる。相手の自己評価に合う言葉。長所を見つけ褒める。
 
・相手の欲しいもの(物質的なものに限らず理想のイメージなども含む)を見抜き、それを手に入れる方法を教える。相手の心に強い欲求を芽生えさせそれを利用して行動させる。どうやったらそうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるだろう?と自問する。
 
<人に好かれる6原則>
 
・仔犬のように相手に誠実な関心を寄せること。誕生日などを覚えておいてあげる。
私たちは自分に関心を寄せてくれる人に関心を寄せる。
 
・笑顔を忘れない
 
・名前をしっかり覚えてあげる
 
・聞き上手になる。相手が話したいことを話しやすいような質問をして誘導してあげる。
 
・相手の関心を見抜いて話題にする。
 
・心から褒めたり、敬意を示したりして重要感を満たしてあげる。褒めて欲しいところを褒めてあげる。
 
<人を説得する12原則>
 
・議論で相手を打ち負かそうとしない。真の利益をよく考える。議論に勝ったとしてもそれはエゴが喜んでいるだけ。相手の行動を変えることはできない。
 
・相手の間違い、失敗を指摘しない。
 
・言い訳せずに自分の誤りを認める。相手が言うことを先に自分で言ってしまう。
 
・親切、友愛、感謝を示し穏やかに話す。
 
・相手がイエスと答える質問を選びなんどもイエスと言わせた上で、本題に対してイエスと言わせる。事前の質問は本題とある程度関連のあるもの。
 
・自分が喋るのではなく相手に喋らせる。聞き手に回る。友を作りたければ友に勝たせる。
 
・思いつかせる。意見を求める。そして自分の持って行きたい方向に誘導する。自主的に思いついたかのように思わせる。
 
・相手の気持ちを配慮する。その上で物事を頼む。どうすれば相手はそれをやりたくなるだろうか?と考える。
 
・相手の気持ちに同情する。あなたの気持ちはよく分かりますなど。
 
・人間の美しい心情に呼びかける。同義心に呼びかける。一貫性の原則。 あなたがそんなことを本当にするとはとても思えません。母が嫌がるのでやめてください。子供達が可哀想です。
 
・演出を考える。演出で注意を引き説得する。
 
・対抗意識を刺激する。よほどの人物でないと務まらないだろうなど。
 
<人を変える9原則>
 
・苦言を呈する前にまず褒める。クッションを挟む。麻酔のようなもの。
 
・遠回しに注意する。褒めると同時に注意をほのめかす。〜にだったら合うかもね
 
・相手を注意する際は謙虚な態度で自分の失敗談を話してからにする。相手に共感する。
 
・命令ではなく提案という形をとる。質問の形に変える。意見をもとめる。もっとよくなると思うんだけどどうだろう?
 
・相手の面子を立てる。相手の心情を理解し、一言二言思いやりのある言葉をかける。
 
・わずかなことでも褒める。褒め言葉は人間に降り注ぐ日光。批判を控え、褒めるほうに力点を置けば良い行動が定着し、悪い行動は抑制される。
 
・期待をかける。どこか良いところを見つけそこに敬意を表するとたいていの人はこちらの思い通りについてくる。相手をある点において矯正したいと思ったら、その点について彼はすでに人よりも長じていると言ってやる。一貫性の原則の応用。人は良い評価を与えられたら、評価通りになろう、期待を裏切るまいと思う。
 
・激励する。大いに元気付けて、やりさえすれば容易にできると思いこませ、そして相手の能力をこちらは信じているのだろ知らせてやる。そうすれば相手は自分の優秀さを示そうと頑張る。
能力に自信を持たせる。
 
・喜んで協力させる。相手の自尊心を満足させる。(君はその任務には大物すぎたんだ)肩書きや権威を与える。(人は玩具に支配される)依頼を断る際も、そのことに対して心からの感謝を表し、残念だがどうしても都合がつかないと告げ、そこ代わりに別の人(代案)を推薦する。
 

代議士秘書―恐るべき権限、カネ、野心/神一行

三木武夫政治資金規正法で利権構造潰される→公共事業関連、会費納入制後援会(政治献金)、各種パーティー、株関連(インサイダー)、ODAなどで政治資金を賄うように。
 
(後援会)族議員 各省とそれに関わりのある企業の応援団議員。関係企業からの後援会会員がぐっと増える。
 
何らかの利益癒着があるから献金する。
 
実力者ほど後援会が多い。大臣になると電話 一本で、党三役や幹事長になると黙っていても向こうから金を持ってくるようになり、総理になると業界の方から政治資金団体を作ってくれと頼まれる。
 
複数の政治団体を作り分散して受けとれば政治資金規正法の報告義務をかいくぐれる。
 
(パーティー券)官庁を通じて各業界にパーティー券を売りさばく。官庁が許認可権をふりまわして各企業の首根っこを押さえているから。官庁→協会、連盟、連合会→各企業の縦割り行政、これらをバックアップするのが族議員。官庁は法律作成で族議員の助けを必要とし、企業は許認可権で官庁に頭が上がらず、族議員ら政治資金で各企業にお世話になるという構図。
 
税金もかからず一晩で何億円も集めることができる政治家にとって最も簡便な集金方法。田中角栄竹下登の流れで永田町は腐りきった拝金集団と化す。
 
(株操作)インサイダーは常識。
河本敏夫が先駆け。
 
(建設利権)
国で行う建設事業によって将来的に値上がりする土地をあらかじめダミー会社を使って買い占めておき、その一方でそれを建設する建設会社を指名してそこからリベート(1~3%)をもらう。角栄錬金術。金丸や竹下に引き継がれる。建設族になりたいがために建設部会は非常に人気がある。
 
公共事業費の半分は賄賂。業者が談合で工事費をつり上げ、儲かった金の何割かを便宜を図ってくれた政治家、談合業者に回す。
 
 (ODA)
建設利権の外国版。 技術協力、無償資金援助、円借款の3つがあるが、無償資金援助は必ず日本企業が受注することになっている。資金は相手国を通さず日本政府から直接企業に流れるようになっている。
 
(選挙と金)
自民党内での出世は金をいかに集めいかに使うか。
 
有能秘書の苦悩、鈴木宗男
 
竹下派は言うなれば陳情の総合病院

昔話の深層 ユング心理学とグリム童話/河合隼雄 (著)

人間は超人的な子供の話を好む
 
太陽が現れる瞬間が神 闇から光への脱出
英雄が飲み込まれて出てくるのも同じ
 
兄と妹は陰陽の比喩
 
時には怠けることで天の声を聞く
 
水陸両用動物=意識と無意識をつなぐもの、カエル、蟹など。
 
全ての男性は心の奥の一室にひとりの乙女の絵姿を持っている。永遠の女性。アニマ。
 
忠臣=無意識の動き 信頼できなくなると石化、自我の態度が適切でないとき
 
体制の改変を行いうる者はその体制の目から見る限り愚か者に見える。個人に置き換えれば自分にとって不得意の、劣等な機能が自分の人格を変えていくのに最も役立つということ。
 
黄金のリンゴが盗まれる=意識界のエネルギーが無意識界に流入している。
 
昔話の動物=ハイヤーセルフの声
 
アニマは男性の内界に存在し、魂の領域に属しているため外界の現実がわからない。
 
男女、影、アニマ アニムスの六人格
 
男性のなかの陰性はペルソナに組み込めないのでアニマとして無意識の中に潜む。
 
アニムスと対話を続けることによって女性の母性は磨かれ、知恵を備えた愛へと変わっていく。
 
自我による決定を越えるものはしばしば偶然という形をとって現れる。
 
自我はそれを補うものとして相手を必要とするが自己はそれ自体で完全なので必要としない。結婚=自我を補うもの。
 
ネズミの動き=性的空想の働き
 
ネズミの引く車にヒキガエル(陰、アニマ)をのせる=性的空想という乗り物に乗って美しい女性が出現する。